セミナーレポート 「メインバンクとの付き合い方」

平成30年7月3日に都城市で「メインバンクとの付き合い方」セミナーを開催しました。

台風の影響で悪天候の中、ご参加いただきました皆様、本当にありがとうございました。

今回のセミナーでは、ここ数年で大きく変化し始めた地方銀行の方針について解説させていただきました。

バブル崩壊以降の金融行政の変遷

バブル崩壊により各銀行は多額の不良債権を抱えることになりました。北海道拓殖銀行を皮切りに破綻する金融機関も出てくる中、国は不良債権処理に乗り出します。
金融検査マニュアルを整備し、個別に債権を格付け、債権者区分に当てはめることで不良債権の洗い出しを進めた結果、”貸し渋り・貸しはがし”により、多くの中小企業が倒産しました。これは金融検査マニュアル自体が中小企業にそぐわない内容であったことが原因です。その後、中小企業の特性を踏まえた金融検査マニュアル(別冊)の発表、リレーションシップバンキング(地域密着型金融)という考え方が浸透していくことで、貸し渋りや貸しはがしも減少していきました。

2008年、リーマンショックの影響で企業の倒産が相次ぐ中、「中小企業金融円滑化法」が施行されたことにより、倒産件数は減少していきます。
※中小企業金融円滑化法…中小企業や住宅ローンの借り手が返済負担軽減の申し入れをした際に、金融機関はできるだけ条件変更に応じるよう努めることを勧める法律

中小企業金融円滑化法には、銀行のコンサルティング機能を発揮を求める文言もあることから、倒産件数の減少は金融支援の結果だけでなくコンサルティング機能が成果を発揮したものと考えられます。(円滑化法の期限後も倒産件数は減少し続けます)

守りから攻めに。事業性評価融資と対応策

バブル崩壊で抱えた莫大な不良債権。その処理が一段落した今、金融庁はこれまでの方針を180度変え、リスクを負ってでも将来性のある中小企業をバックアップする銀行を評価するようになりました。(金融仲介機能の発揮)
企業格付に使用されていた金融検査マニュアルが平成31年4月に廃止される予定もあり、これまでの画一的な審査から一転、リレーションシップバンキング(地域密着型金融)をさらに進化させた「事業性評価による融資」にシフトしていくことは間違いありません。

セミナーの途中では、地元金融機関のディスクロージャーを見ながら事業性評価融資の実施状況の確認し、今後の対応策についても解説。今後は自社の状況を金融機関に対し、積極的に提供していくことが非常に重要になってきます。その際に有効な経済産業省の作成したツール「ローカルベンチマーク」の活用法や、早期経営改善計画策定事業(補助率2/3 上限20万円)といった施策をご紹介しました。

今後の展望を示す。金融機関が納得する経営計画の作り方

事業性評価への対策として、自社の現状だけでなく今後の目標を金融機関と共有することは必要不可欠です。ですが、一目見て無理のある(現実味のない)計画では意味がありません。経営計画は他人に提示する目的で作るものではなく、自社の企業活動のために作るべきものだということを絶対に忘れてはいけません。
策定に当たっては5年間の中期計画で方向性や戦略を明確にし、単年度計画で具体的なアクションプランへ落としこむところまで作り上げることを強くお勧めします。アクションプランなくして実行はありえませんし、計画達成は成しえません。そもそも進捗管理をすることが不可能です。

このように「作った本人が納得し、自ら説明ができる計画」を作成するためのポイントを最後に説明してセミナーは終了しました。

 

今回の金融機関との付き合い方というテーマは今後、非常に重要なテーマだと考えています。
他の地域でも開催を予定しておりますので、是非ご参加いただければ幸いです。